画面からサバイバルへ:UEFN でフォートナイトに『罪人たち』のワールドを構築する
ワーナー・ブラザース・ピクチャーズが、ライアン・クーグラー監督のオスカー受賞作『罪人たち』を、その劇場公開に先駆けてフォートナイトに導入したいと考え、Sawhorse Productions に依頼し、同作品の 1932 年のディープ サウスのヴァンパイアの世界を舞台にした UEFN 体験「Sinners: Survive the Night」を構築しました。
この体験では、6 人のプレイヤーのスクワッドが人間として、増え続けるヴァンパイアの大群と戦います。撃破されたプレイヤーはヴァンパイアとなり、元のチームメイトに対する狩りに参加します。プレイヤーは、夜明けまで生き残るか、最後の一人の人間を倒すことで勝利します。その過程でゲーム内通貨を集め、NPC の味方を雇ったり、装備をアンロックしたりできます。
秘密裏に構築する
この映画はまだ公開されていないため、チームは、1 回だけ視聴して得た印象に基づいて作業せざるを得ませんでした。
Sawhorse Productions のクリエイティブディレクターである Phil Flores 氏は、「『罪人たち』の独占上映後、私たちは完全に秘密裏に構築を開始しました。当初、私たちのチームはデジタル アセットなしで作業しており、記憶と上映中で取った手書きのメモに頼って、1932 年のディープ サウスのヴァンパイア体験を設計しました」と述べています。
MetaHuman でキャストに命を吹き込む
フォートナイトで映画のキャラクターを再現するということは、その忠実なデジタル ライクネスでゼロから構築し、動かすことを意味しました。そこで、MetaHuman の出番です。
Flores 氏は、「当社の特注のライクネス ワークフローには、MetaHumans インポーターを使用して、外部 DCC を使用してカスタムのハイポリ頭部スカルプト、グルーム、衣装を作成し、最適化されたベース ボディ スケルタル メッシュと組み合わせることが含まれていました。Unreal Engine では、Mesh to MetaHuman ワークフローを使用してスカルプトを処理し、カスタム頭部メッシュの適切なフェイシャル リギングを行い、カスタム グルーム バインディングとともにアニメーションのために UEFN シーンに移行します」と説明しています。
キャラクターが構築されたら、次の課題はキャラクターを動かすことでした。UEFN のシーケンサーとアニメーション ツールにより、チームはシネマティックな精度でパフォーマンスを演出できるようになりました。
Flores 氏は、「MetaHuman NPC に命を吹き込むためのキャラクター、シネマティックカメラ、VFX のシームレスな調整については、UEFN のシーケンサーが大活躍でした。UEFN のビルトイン IK リターゲッターを使用することで、カスタム モーション キャプチャから Fab で取得したアニメーション パックに至るまで、さまざまなソースからのアニメーションを MetaHuman スケルトンに直接素早く適応させることができました」と述べています。
映画のようなリアリティをさらに高めるため、チームは MetaHuman Animator のオーディオ駆動型アニメーション技術を活用して、NPC の顔のパフォーマンスを制御しました。
フォートナイトのアセット ライブラリを活用する
詳細なキャラクター モデルは実際のメモリ フットプリントを伴うため、チームはそれらを取り巻く全てのものに対してより負荷の軽いアプローチを必要としていました。
Flores 氏は、「カスタム MetaHuman の数を意欲的に増やしたため、アニメーションのメモリ コストとのバランスを取るため、環境を構築する上での私たちのアプローチは、フォートナイトのギャラリー アセットの利用に大きく依存していました。私たちのアーティストは、クリエイティブなキット バッシング、カスタム デカール、ポスト プロセスを使用して、フォートナイトの世界観を『罪人たち』のシネマティックな世界観に合わせることで、素晴らしい結果を実現しました」と述べています。
ライティングと VFX でムードを作り出す
キャストと環境が整ったところで、チームは UEFN のライティング ツールとNiagara ビジュアル エフェクト システムに目を向け、ムードを作り出しました。
Flores氏は、「『罪人たち』の暗く陰鬱な南部的な世界観を再現することが、私たちのビジュアルの方向性にとって 最優先事項でし。日中のシーンでは、ゴールデンアワーのライティングを強調し、環境を大気中のもやとほこりで満たしました。夜には、全体的にシャドーを取り入れました。マップは意図的に暗く保ち、青い月明かりの光、濃い霧のパッチ、そしてヴァンパイアの目の不気味な輝きでその陰鬱さを際立たせました。」と述べています。
この世界観を実現するために、彼らは Cine カメラ アクタとポスト プロセス ボリュームを幅広く使用し、カスタム パーティクル エフェクトには Niagara を使用しました。特に、ヴァンパイアが朝日に焼かれるドラマチックなシーンは注目に値します。
ゲームプレイ、音楽、サウンド デザイン
プレイヤーはマップ全体で、映画でおなじみのキャラクターと出会います。チームは、UEFN のカスタム プログラミング言語である Verse を使用して、それらのインタラクションを体験にスクリプト化しました。
Flores 氏は、「UEFN のビルトイン仕掛けを使用することで、RPG システムのブロックアウト、デザイン、イテレーションを手早く行うことができました。その後、Verse を使用して、Smoke と Stack の雇用、Annie のボーン投げ、Mary からの呪われたゴールド コインの受け取りなど、カスタムのゲームプレイの仕組みを作成しました」と述べています。
プロジェクトのオーディオ面も、ビジュアルと同じくらい注目されました。
Flores 氏は、「音楽とサウンド デザインは、映画『罪人たち』で非常に重要な役割を果たしており、当社の才能ある社内の作曲家が作成したのは、ホラーをテーマにした周辺の音の雰囲気、ループ、オリジナル曲の公認リミックスであり、これら全てのクリップで聞くことができます。UEFNのビルトイン オーディオ ツールを使用することで、プレイヤーを『罪人たち』の世界に没入させる音のサウンドスケープを作成できました」と付け加えました。
生き残る価値のあるワールド
Sinners: Survive the Nightは期間限定の体験として公開されましたが、UEFN がライセンス IP をどこまで拡張できるかを示すケース スタディとなっています。Sawhorse Productions は、カスタム MetaHuman ライクネス、シーケンサー駆動のシネマティクス、Niagara VFX、Verse で構築されたゲームプレイを組み合わせることで、長編映画をフォートナイト内でプレイ可能なシネマティックなホラー体験に変えました。